ゆるふわdiary

好きなこと(特に本)についてゆるっとふわっと語るブログです。

私の好きな歴史もの 年代順まとめ

以前Twitterにて自由研究と称して、今まで読んだ歴史もの(コミック含む)で特に心に残ったものを年代順に並べてみたのですが、せっかくまとめたものを忘れないように今回こちらのブログにも新たな本を追加して記述することにしました。

こうやって年代順にしてみると、あの人はあの人と同じ時代を生きてたんだなとか、あの人はこの時代の人だったのかとか、年代を覚えるのが苦手な私でも何となく頭の中で整理できた気がします。

 

 

☆女伯爵マティルダ カノッサの愛しい人☆

1077年に聖職叙任権をめぐって教皇と対立していた皇帝が、カノッサにて教皇に赦しを請うたという事件「カノッサの屈辱」。その時二人の仲介をしたという女伯爵の半生を描いたもの。教皇と皇帝の闘いに自ら飛び込んでいくヒロインが苛烈。

 

 

☆アンナ・コムネナ☆

1095年からお話が始まる。アンナはカノッサの屈辱よりもちょっと後の時代の人だったのね。そしてこのコミックで初めて知ったのは、ビザンツにおいて第一次十字軍は厄介な存在だったということ。前述の本のマティルダは十字軍に参加したらしいです。

 

 

☆花巡礼☆

1147年から始まるお話。これは前述の本とは逆に、第二次十字軍に参加し西欧諸国からビザンツエルサレムに向かう人々を描いたもの。女公アリエノールの存在感が凄い。この方が主役のお話があったら読みたい。

 

 

☆言の葉は、残りて☆

ヨーロッパにて十字軍の遠征が始まった頃、日本は平安時代だったのね。こちらはそれよりもちょっと後、三代鎌倉将軍実朝とその妻信子の悲しい運命の物語。

私は今年の大河ドラマを観るときの参考本にしています。

 

 

☆斜陽の国のルスダン☆

1200年代前半。ヨーロッパで初めてモンゴルと戦った国ジョージアの女王の一生。何とかルスダンを助けたいという夫ディミトリの深い愛。涙なしに読めないです。

今度宝塚で上演される予定になっていて嬉しい。

 

 

☆天幕のジャードウーガル☆

1200年代前半。イスラム圏に住んでいた少女がモンゴルに制圧され強制連行、しかしその地で知性を武器に強かに生きていく物語。

可愛い絵柄なのに内容は超ハード。強かなヒロイン好きだけど、なかなか読み進めるのが辛い...。でも続きが気になる。

 

 

☆ヴラド・ドラクラ☆

少し時代が進んで1400年代中期。ドラキュラのモデルになった人物。大国オスマンハンガリーに挟まれそれだけでも舵取りが大変なのに、国内のゴタゴタがヴラドを悩ませる。そしてとうとう怒りが爆発し...((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

 

☆夢の雫、黄金の鳥籠☆

1500年代前半。スレイマン1世の後宮で奴隷の身分からのしあがっていくヒュッレム。実際には敵対していたと言われているヒュッレムとイブラヒムを、恋仲だったという設定にしたのが凄いと思う。

 

 

オダリスク

こちらもスレイマン1世の後宮に入れられた女性達の物語。

後宮の実権を握った後のヒュッレム様が描かれていてカッコいい。そしてこの作品では最初からずっとイブラヒムを恨んでます。ドロドロを描くだけでなく、女性達がしがらみから解放され自分の道を歩んでいくというスッキリとした味わいのラストで好き。

 

 

☆王国の子☆

1500年代半ば頃。ヘンリー8世エリザベス1世の辺りのイギリスをモデルにしたと思われる物語。エリザベス1世が「処女王」と言われていたことを上手く作品に取り込んでいて凄い。

前述のヒュッレムとエリザベス1世、ほぼ同じ時代を生きていたのね。

 

 

☆縁切り寺の尼姫☆

1600年代前半。豊臣家が滅んだ後の、ゆかりの姫君達の凛とした生き方が素敵。

家康が大阪城を攻めるのに、エリザベス1世から大砲を購入したという話を以前テレビの歴史番組で言っていたのを聞いたけど、本当かな?

 

 

☆悪役令嬢に転生したはずがマリー・アントワネットでした☆

1700年代中期。日本のアラサー女性がマリー・アントワネットに転生していたというお話。軽い内容なのかなと勝手に思っていたけど、作者様の歴史愛溢れる内容でした。

 

 

☆帝冠の恋☆

オーストリア皇妃エリザベートの姑として有名なゾフィー(1805生~1872没)が、ナポレオンの息子フランツ(ナポレオン2世)と恋に落ちていたかもしれない...という設は今まで知らなかったので驚きました。その当時の世界情勢を絡めたドラマティックな悲恋ものです。

 

 

☆皇妃エリザベートのしくじり人生やりなおし☆

オーストリア皇妃エリザベート(1837生~1898没)が少女時代に時間がまき戻ってやり直すお話。やり直しにより歴史が変わっていくので、あくまでもパラレルワールドのお話として読めば面白いです。

悲劇の皇妃が今度は幸せな人生を送ることができて良かった~。

 

 

伯爵と妖精

こちらの作品は思いっきりフィクションですが、お話の要所要所にイギリスのヴィクトリア女王(1819生~1901没)が出てくるので一種の歴史ものということで記しておきます。

皇妃エリザベートヴィクトリア女王、同じ時代に生きた女性だったのね。

 

 

はいからさんが通る

こちらもフィクション。でも大正時代(1912~1926)が詳しく描かれている名作なので記しておきます。

そうか、約百年前の物語なのか。私の亡くなった祖母が大正生まれだったので、そう昔の話ではないのだな...。

お気に入りweb小説②

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最近読んだWeb小説についての感想です。
こうしてまとめてみると、恋することに不器用な大人たちの物語が多いですね(^_^;)主人公が元気ハツラツ!という物語より、ちょっと影のあるしっとり系のお話が今の気分なのかもしれません。


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古参侍女の最後の恋(作:橘珠水)

城塞で働く三十路半ば過ぎの侍女ヒロイン。城塞内で問題が起きぬよう目を光らせる憎まれ役を望んでやっているので、周りの人間からは距離を取られていた。
そんな彼女が若い頃恋した騎士は、現在は城塞の騎士隊長となって任務していたが。
厳しいことを言うヒロインであるが、その心は相手を思いやってのことであり、隊長との若き日の別れも隊長の将来を思ってのことだった。思慮深いヒロインの選んだ道が辛いわ~。
しかし隊長はヒロインをずっと忘れてなかったのかなあ~。自分の都合で一度はヒロインを捨てて、そして戻って来てもヒロインに自分の思いを告げることなく、ただ側にいたのはちょっとズルい気がするが。
でも若い頃のように勢いで動けない大人たちの切ない恋愛を読めて良かった。これからは隊長と一緒に幸せになって欲しい。
余計なことかもしれないけど、有能なヒロインがいなくなった後の城塞がきちんと機能するのかどうか心配(笑)。


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女王陛下は醜聞を避けたい(作:Hk)

王女ヒロインは幼馴染みヒーローと婚約するのを楽しみにしていたが、急に兄王が亡くなり、兄王の子が成長するまでの中継ぎの女王として即位することに。次期王位を巡っての争いを避けるため結婚しないことを決めたヒロインは、ヒーローとの恋も諦めるが。
ヒーローが好きなのに好きとは言えない9年間がとても切なく、何度もウルウルしてしまった。でもヒーローは一枚上手でヒロインと結婚できるよう影で動いていたし、退位が決まってからは女王と側近という主従関係から一転、押せ押せモードに豹変(笑)。手を繋ぐシーンにドキドキ。
頑なだったヒロインがそんなヒーローに心動かされ、やがて訪れたハッピーな結末に私も幸せな気分に。ヒーローが諦めない人で本当に良かったよ~。


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政略結婚の行方(作:水芙蓉)

宰相と政略結婚したヒロイン。それは若き宰相の立場を盤石にするために、そして次期皇后になる宰相の娘に相応しい教育を施すためのものだった。それらのことに加え、霊を見ることができる能力があるヒロインは、霊となった宰相の亡き妻の心残りを晴らそうと努めていたが。
ヒロインが聡明で自分の感情を封じ込めたまま、宰相一家のために5年も尽くしていたのに、別の令嬢にその立場を追われそうになったときには悲しく切なかったし、おーい宰相何とかしなさいよ!と思った(笑)。
その後ようやく自分の気持ちをはっきりさせた宰相がヒロインを迎えに行ったのに安堵。こうなる前にもっと早く行動すればよかったのにねえ。お互いの気持ちを伝えあい幸せな結末になって良かった。幽霊になった前妻との交流の様子も心温まるものだった。


最後に、ほのぼの系のお話も一つ。


最愛と過ごす常春のこと(作:ゼン)

金銭的苦境に陥っているヒロインを知り同情心から結婚したヒーロー。だが結婚式の時にお互い密かに惹かれあい、少しずつ愛情を育てていく年の差カップルの様子がとても素敵。心が温かくなった。
可愛いかったのはヒロインの妹。こんな妹がいたらそりゃあヒロインはほっとけないでしょうね。ヒーローが舌足らずの妹とにゃうにゃうしゃべっているのが何とも可笑しい。
タイトルも洒落ていて好きだわ~。こういうタイトルのWeb小説がもっと増えて欲しいなあ...。
家族が増えていく番外編も良かった。妹ちゃんが大きくなった時のお話もあったら読みたい。

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私の好きな塩対応ヒロイン本

いつもは健気だったり可憐だったりするヒロインを応援したくなるのですが、たまにヒーローに塩対応な異色ヒロインの物語を読みたくなります。そこで今までに読んだ本の中で塩対応ヒロインが印象的だった作品を紹介したいと思います。



いつか陛下に愛を


異世界へ転生したヒロインは、その世界では珍しい黒目黒髪を持っていたため後宮へ献上されてしまう。何故か執着してくる国王を何とか避けようとするが。
ヒロインが本当にふてぶてしくて賛否両論あるかもしれませんが、言葉もわからない異世界で生き残る為に考えて行動する強かなヒロインが嫌いではなかったです。今まで女性のことを子を産む道具くらいにしか考えてなかった(と思われる)陛下に塩対応なのが痛快でした。
大人向け小説(TL)ですのでご注意下さい。



それなりに幸せです、たぶん


事故で障害を負ったヒロインが夫から離縁を言い渡される、という冒頭を読むと、なんて可哀相なヒロイン...と思ってしまうのですが、読み進めていくとそれがとんでもない誤解だったと気づきます。
夫がヒロインにもの凄く執着していて、しかも散々泣いてすがるタイプなので重い重い。そしてそれをハイハイと軽くあしらうヒロイン。そんな二人の様子にちょっと笑ってしまいました。それなのに何故冒頭のようなことになるのか、それが徐々に明らかになっていく展開で、ときめきはないけれど面白かったです。
大人向け小説(TL )ですのでご注意下さい。



誰かこの状況を説明して下さい!


貧乏貴族令嬢ヒロインは、若きイケメン公爵に縁談を申し込まれる。不釣り合いな縁談を不思議に思っていると、公爵はヒロインにお飾りの妻になって欲しいと言い出して。
ヒーローの所業はうわあ~酷いと思ってしまうのですが、ヒロインがヒーローのことを全く恋愛対象と思ってないので悲壮感がなく明るいコメディになっています。ヒーローがヒロインの魅力に気づき徐々にヒロインに近づこうとしても、「亭主元気で留守がいい」とばかりに使用人たちと楽しい生活を送っているヒロインに全く気づかれないのがいい気味です(←意地悪)。



政略結婚の在り方

政略結婚の在り方 (メリッサ)

政略結婚の在り方 (メリッサ)

  • 作者:園内 かな
  • 発売日: 2015/05/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


このお話も、比較的最後の頃までヒロインがヒーローに何の情も持たず、側室に任せて(この側室も自分でヒーローに紹介した)自分は隠居したいと思っているという、ロマンス小説ではなかなかお目にかからない展開。ヒーローが最初からヒロインに優しくしていればこんなことにならなかったと思うのですがね...。
大人向け小説(TL )ですのでご注意下さい。



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2021年2月に読んで面白かった本

2月に読んだ本で特に面白かった本の感想を。

ネタバレがありますのでご注意下さい。


占い師には花騎士の恋心が見えてます(作:Mikura)

占い師には花騎士の恋心が見えています

占い師には花騎士の恋心が見えています

魔法使いの末裔で、他人の感情や未来を人の頭の上に現れる予想線で見ることができる薬屋のシルルは、権力者に利用される恐れのある治癒能力も持っていた為に人と深く関わることなく生きてきた。ある日花の騎士と言われるエクトルの命を救ってしまったことから彼に興味を持たれてしまうが。


女性達から人気のあるエクトルなのですが、本当は女嫌いで自身の美貌を利用して情報を収集する強かな面があります。そんな彼は最初普通の女性のような反応をしないシルルに興味を持ち絡んでくるのですが、シルルは彼が怪我の後遺症に苦しんでいることを見抜いてしまうのです。
シルルの処方する薬をもらう為にシルルの店に通うことになったエクトル。エクトルの本質を予想線によって理解したシルルとの会話を重ねていくことでやがて興味から恋心に変わっていくのですが、いつも冷静なシルルが時々無意識にド直球の言葉をエクトルに投げるものですから、その直撃をくらうエクトルが乙女のように恥じらうのがとても面白かったです。初恋にジタバタしているエクトル可愛い。シルルに対して執着を見せるのもよき。最初の頃のチャラくて冷淡なエクトルとは別人のようです(笑)いやでもシルル以外の女性には冷淡なのだからシルルが特別過ぎるのでしょう。

結局シルルがエクトルへの想いに応えるまでには至らなかったのですが、シルルも誘拐されるというピンチの時には離されてしまったエクトルのことで頭が一杯になっていたので、もうとっくに恋に落ちていてあとはエクトルを信じられるかどうかだけですよね。最後にエクトルの親友である第一王子の専属相談役となったシルル。エクトルと共に送ることになった城での新しい生活がどうなるのか、2巻が出るのを楽しみに待ってます。巻末の4コマ漫画とイラストが素敵。



翼の帰る処(作:妹尾ゆふ子)

翼の帰る処 (上) (一般書籍)

翼の帰る処 (上) (一般書籍)

以前から気になっていたこのシリーズ。長編なので躊躇していましたが、1巻上の電子版が読み放題になっていたので試しに読んでみようと手に取ったらドはまりし、3巻まで読み終わってしまいました...。


尚書官のヤエトはびっくり病弱人間(笑)の為隠居を夢見ていた。北嶺という辺境の地に左遷され隠居生活を送れると期待していたが、待っていたのは現地住民のもめ事の折衝。ウンザリしながら過ごしていたところに、何故か北嶺太守に着任した14歳の皇女がやって来て、副官として面倒を見なければならなくなり...。


早く隠居したいと常々言い続けながらも、結局トラブルに首を突っ込んで抜け出せなくなってしまうヤエトのキャラクターが魅力的。彼は実は「恩寵」と言われる不思議な力を持っていて過去を視ることができるのですが、その能力を使い皆に知恵を授けたり問題の突破口を見つけるのがとても格好いい。でも肝心の戦闘シーンとかでは過去視の力を使った反動で寝込んでいるとか、ヨロヨロになっていて他の人に抱えられているとか、大概ほぼ見せ場なしで終わってしまうのがああ~、またかと思いながらもヤエトらしくて面白いのです。

彼が仕えることになる皇女は最初勝ち気で男勝りで必死に大人になろうと背伸びしているお姫様、というイメージでしたが、ヤエトと関わり北嶺の主として活躍するようになると徐々に王としての風格を出すようになってきます。
で、ロマンス好きな私としては気になってくるのは、皇女はヤエトに恋心のようなものを抱いているのか否かということです。私は恋しているのでは、あるいは気になる男性として見ているのではと思っています(3巻時点では)。ヤエトに真の名前を教えたことが(皇帝一族は真の名前を他人には明かさないことになっている)ヤエトを信頼している証でしょうし、ヤエトが別の場所に行っている間はヤエトがいなくてもしっかり北嶺王として領地を治めようと懸命な努力をしているのが健気です。ヤエトが女官の名前を覚えているのにちょっとした嫉妬のようなものをしていたりもしています。
でもヤエト先生は22歳の歳の差もあって手強い。時々急に皇女をからかったりしていますが恐らく妹のようにしか思っていないのかも。
そんな二人ですがお互いにいい影響を与えていて、皇女はどんどん成長し、ヤエトはそんな皇女がもし帝位を欲するなら狙ってやるとまでの生きる目標を持つようになってきたのが凄い。人生諦めモードで隠居することばかり考えていたヤエトの変化が喜ばしいです。

私の好みであるロマンス部分のことばかり書いてしまいましたが。
本質はファンタジーと陰謀劇が混じりあった読み応えのある重厚な物語ですよ!

ヤエトと共に皇女を支える騎士のルーギンや、目茶苦茶強くてヤエトの世話を焼きたがる(でもまだ完全な味方ではない)老騎士のジェイサルド、何を考えているのかわからない存在感たっぷりの皇妹、恐いけれどもしかしたら娘をヤエトに盗られた気がしてやっかんでいるのではと思われる皇帝など、他の登場人物も皆個性的で面白いです。
皇子達の皇位継承問題に巻き込まれ、しかも魔物が現れるという世界の危機を防ぐ手立てを探さなくてはならなくなって、どんどん隠居への道が遠のいているヤエトが今後どんな風に活躍するのか楽しみです。
あと鳥!馬並みに巨大で人を乗せて飛ぶ鳥が非常に重要な役目を担っています。3巻では雛鳥が誕生して、ヤエトを兄弟のように思っているらしくヤエトの元に訪れては膝の上に乗る鳥達が可愛いです。

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お気に入りのコミック①~魔女先輩日報~

小説の他、漫画も好きでよく読むのですが、年齢のせいか(アラフィフ...)小説のように心に残る漫画に出会うことが少なくなってきました。
でも先日読んだ『魔女先輩日報』は私の中で久々のヒットでした。可愛い絵柄とファンタジックな内容にひきこまれて読み始めたのですが、途中からうわあ何てあまあまな恋愛漫画...!と驚きときめいてしまいました。
ときめきを補給したい方、ぜひ読んでみて...!



魔女先輩日報(作:餅田まか)

ネタバレがあるのでご注意下さい。

人間と、魔法が使える「魔女」が共存している世界。
魔女でありお人好しで他の人からの頼みを断れない、会社の先輩・静の様子に静の後輩・美園くんはついイライラしてしまいます。
でも静は、魔法が使えるからと言ってスーパーウーマンになっている訳でなく、むしろ皆から魔法でずるをして楽しているのではないかと思われているのを知っていて、そんな中でも自分のできることをやろうと、愚痴もこぼさず働いているのです。
そんな彼女の微笑みが眩しく、ある日美園くんは自分が先輩に恋していることに気づきます。

恋を自覚してからの美園くんが、すごく先輩に対して積極的でもあり、また優しくもあり、とてもカッコいい!

途中、静の元カレが静とヨリを戻そうと強引に迫ってくるのですが(いや~、この男が静を心理的に支配しようとする本当に嫌なヤツ!)、美園くんは静にとって今一番必要な言葉を言ってくれるのです。
静と付き合うようになってからも、静が魔法を暴走させ落ち込んだ時も揺るがないし、グイグイ迫る美園くんがカッコいい(←二度目笑)。

だけど二人が付き合っていることが会社の人達にばれて、再び静がやっかみが混じった悪口を言われるなか、美園くんが長期出張になり離れ離れに。
静が自信を失くし別れた方がいいのでは、と思うなか、今までずっと強気だった美園くんが、泣きながら(!)言う言葉がもう、もう...!!私が思うに恐らくずっと頑張って言ってなかったであろう本音を静にさらけ出す姿に、胸キュンを通り越して胸ギュンギュンしましたよ(笑)

いや~、年下の敬語ヒーロー、本当に素敵でした。

2巻で完結、というのもちょっと物足りないと思いながらも、私にとってはちょうどいい塩梅でした。魔女のことが詳しく説明されているわけでもなく、魔女だというお母さんももう少し魔法を使って何か活躍しても良かったんじゃないかな、とは思いましたが、いろいろ曖昧なままでも満足なラブストーリーでした。ほうきに乗って飛ぶ二人が楽しそう。幸せな気分で読了できました。

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2020年読んで面白かった本⑥

⑤の続きです


21 俺様主人の理不尽な要求


俺様なイケメンご主人がフラれてばかりいるので、メイドヒロインが擬似デートをすることに。そこでお互いの魅力に改めて気付くわけですが、ヒーローがとにかく素敵。誠実であり、ヒロインをグイグイ攻めながらも彼女の心の傷を解してくれ、しかも子煩悩で将来は良きパパになることがうかがえる最高物件。幸せな気分で読了することができました。こういうお話がもっと読みたいです。
大人向け小説(TL)なのでご注意下さい。



22 廃墟の片隅で春の詩を歌え


王の器がありながらも、何もかも奪われ塔に閉じ込められていた王女アデールが、やがて国のために闘う強い女王となるまでの半生を描いた物語。こういう大河的な少女小説を時々読みたくなります。ヒロインを取り巻く人々が皆強烈な個性を持っていて、姉妹の間で鳴り響く不協和音がどうなるのかハラハラしましたし、夫であるグレンや姉のパートナーであるエタンとの関係がどう変わるのかわからず最後まで面白かったです。エタンと結ばれることになる結末が自然な流れで納得しつつも、アデールをずっと想っていたのに拗れてしまったグレンの、彼女とやり直す道が見えながらも遂げられなかった最期の想いがとても胸に残りました。電子版のみだったのがオレンジ文庫から紙書籍が出版され、より多くの人々に愛される本になっていくと思います。



23 見習い魔女と秘薬のレシピ


魔女の末裔でまだ半人前のヒロインが、王女をより女性らしくする秘薬を作るようにという女王からの依頼を受けることになり。王女は実は...という展開なのですが、国のために本当の自分を捨てる覚悟までしていたのに、ヒロインと出会ったことで揺れ動いてしまった王女の心情がとても切なかったです。そして頼りなかったヒロインが好きな人のために逞しく成長していくのがいい。このような良き正統派少女小説と出会えて嬉しかったです。



24 大阪マダム、後宮妃になる!


大阪のやり手たこ焼き女店長が、阪神優勝の夜道頓堀川に落とされようとしたカーネルサンダース人形をかばって落下、という転生の理由に心を持っていかれ読むのが止められなくなった本(笑)。パワフルなヒロインが後宮をかき乱し、闇を抱える皇帝の心まで解きほぐす展開が面白かったです。皇帝とのLOVEは無くともオカンのような大きな愛が感じられる作品。今度2巻が発売されるそうで、念願のタコを入手してたこ焼きが作れるのかどうか気になる(←そこ?笑)



25 今日からあなたの護衛です


秘密組織に育てられた手練れのヒロインと、ヒロインが護衛についた王太子の愛の物語。いわゆるシークレットベイビーもの。ヒロインと孤独だった王太子が絆を深めやがてそれがお互い恋心に変わっていく様子が丁寧に描かれていて良かったです。ヒロインは王太子の子を妊娠したことにより身を引き、王太子のもとを離れてしまうのですが、その事実を知らなかった王太子が再会後冷たい態度をとるのが読んでいて辛かったなあ...その後王太子が大後悔したのでスッキリしましたが。ヒロインに執着する暗殺者との戦闘シーンが迫力あり、ヒロインがマジで強くカッコ良かったです。
大人向け小説(TL)なのでご注意下さい。

2020年読んで面白かった本⑤

④の続きです


16 わたしの幸せな結婚 三

わたしの幸せな結婚 三 (富士見L文庫)

わたしの幸せな結婚 三 (富士見L文庫)

和風シンデレラストーリーとして有名になった本ですが、勿論こういうお話は大大好物で4巻全て持っています。2020年には3・4巻が発売されましたが、特に好きなのは3巻。清霞の家族に会った美世が頑張るのです。今まで自己評価が低くすぐ悩みがちだったあの美世ちゃんが!清霞様母に意地悪されても今まで実家でされていた事に比べれば何てことないんだろうね。張り切る美世ちゃんに逞しくなったねと言ってあげたい。清霞様ともお互いに想いあっているのが溢れ出ている感じがとても良きかな。



17 暗殺人形は薄幸の新妻を溺愛する

最後まで読むとおおお~!となった本。心を失くしたヒーローがヒロインと出会い結婚したことになり人間らしくなってきて良かった...で終わるかと思ったら、ヒーローの独白があり真実が語られ幕を下ろす展開にやられました(笑)。ヒーローこの時は本当はこんな風に思っていたんだろうなと、いろいろ想像しながらもう一度読み直してしまいました。
大人向け小説(TL)なのでご注意下さい。



18 緑の雫

緑の雫: 1 (メリッサ)

緑の雫: 1 (メリッサ)

TLと言うよりはファンタジーと言っていい作品だと思います。 異世界転移したエステティシャンのヒロインがその技術を使って緑の魔女として生きていくお話で、森でスローライフを送っていたのに段々と貴族間の争いに巻き込まれてしまう展開が面白かったです。2巻ではスペクタルなシーンがあって、1巻から続く様々な伏線がここで回収されたのが見事でした。最初お互いに感じ悪い...と思っていたヒーローとの関係の変化も丁寧に描かれていて良かったです。2巻収録の3つの番外編がどれも心に染みました。
大人向け小説なのでご注意下さい。



19 皇妃エリザベートのしくじり人生やりなおし

暗殺されたのち6歳の少女時代に逆行してしまったオーストリア皇妃エリザベートのやり直し人生。史実とは全く違う結末になっていくのですが、悲劇の人だったエリザベートが幸せになってとにかく良かった!出てくるウィーンのお菓子やコーヒーが美味しそうです。宵マチさんの表紙がとても美しく、我が家のmy本棚に長い間飾り表紙を愛でた作品でもあります。



20 王妃ベルタの肖像 2

国王の第二妃として嫁いだベルタ。王を愛さず愛されることも望まない覚悟だったのに、思いがけず第一王子を妊娠してしまったことで宮廷の権力闘争に巻き込まれていきます。2020年には1・2巻が出版されたのですが、1巻は賢いベルタの物語だったのに対し、2巻は人らしく思い悩むベルタの姿が見られて物語に深みが増した気がします。陛下の心変わりの速さにはえええ~となりましたが(笑)、最後ベルタがようやく陛下のファーストネームを呼ぶシーンが、この夫婦何とか上手くやっていくんだろうなという未来が想像できて好きです。